AFRICA ON AIR

アフリカ情報をオンエア中!ケニアの生活・ビジネス・観光から、英語・青年海外協力隊・オピニオンまで幅広く発信してます!

fistbump

考察

「チンチョン問題」についてちょっと本気出して考えてみた

投稿日:

「チンチョン」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。

アジア・アフリカ・南米等の途上国を旅したことがある方は一度は言われたことがあるかもしれない。

実はこれはアジア(東洋)人、特に中国人に対する蔑称である。

ここケニアでも僕が町を歩いているとよく「チンチョン」と声をかけられる。

何番煎じかは分からないが、たまたま今日歩きながら「チンチョン問題」について考えていたので文字に起こそうと思う。

問題の実態

「チンチョン」には様々なバリエーションがある。

「チャンチン」「チョンチュン」「チンチョンチャン」「チャンチュンチョン」など、いわゆる“中国語的な発音”を真似したものであれば何でも良さそうである。

鼻にかけた声で「ヒンホンハン」などハ行を駆使するパターンもある。

ここケニアではこのような言葉を使う人が多く、また他のアフリカの国でも同様である。

この現象は、地方の町や、ガラの悪い人が集まるバス乗り場などにおいて顕著で、そういった人たちと関わる機会の多い我々協力隊員の話題をさらっている。

どう感じるかは人によって異なり、激しく不快に思う人もいれば何も感じないなんて人もいる。

僕も1年前は何も感じない側の人間だったが、ここ最近は不快に思うことが多くなってきている。

その理由は、「チンチョン」発言の背後にある彼らの意図に気づいてきたからである。

チンチョンには2つのパターンがあった

「チンチョン」は紛れも無く差別用語である。

しかし、多くの日本人にとっての「チンチョン問題」において重要なのは、それが差別用語であるかどうかではない。

差別用語だから不快なのではなく、その発言をする意図に気づいた時、不快感を覚えるのだ。

「チンチョン」発言には2つのパターンが存在する。

「挨拶チンチョン」

一つ目は、東洋人に興味があるのみで悪意はない、挨拶としての「チンチョン」。

「挨拶チンチョン」には、東洋人が珍しいため興味があったり、仲良くなりたいと思っていたり、その言葉がアジア人の総称だと勘違いしているなどのケースがある。

こういう人は侮蔑語とは知らないので、面と向かって言って来ることもある。

この場合には不快になることはなく、むしろ彼らが将来的に不利益を被らないためにも、悪い意味だと教えてあげたいという気持ちにもなる。

「軽蔑チンチョン」

もう一つは、悪意を持ち東洋人を見下す、軽蔑の言葉としての「チンチョン」である。

「軽蔑チンチョン」は「挨拶チンチョン」とは特徴が異なる。

言い放って逃げる、バイクや車などからすれ違いざまに言う、集団で笑いながら言うなどである。

この人たちは、言われて不快になる言葉だとわかりながら、そのために「チンチョン」を繰り出す。

僕が、多くの日本人が、不快に思うのはこっちのケースがほとんどだ。

背景と対策

チンチョンが浸透している理由

ではなぜ彼らは「チンチョン」という言葉を使うのか、ということを自分なりに考えてみた。

1. 道徳教育が行き渡っていない

まずケニアの学校のカリキュラムには道徳の授業は含まれていない。

また学校に行かずに育つ人も多いため、そういった人たちは道徳どころか社会性が育まれないのは確かだ。

そんな中、国際化が進み他の人種と関わる機会が多くなったため、自分と異なる他の人種をからかったり蔑んだりすることはある意味自然なことなのかもしれない。

2. 若者の娯楽としてカンフー映画が流行している

友人が、「チンチョン」という言葉を使った人に対して、その言葉をどこで覚えたかという簡単な聞き取りをしたことがあるという。

その人曰く、映画で見て知ったというケースがほとんどだったそうだ。

確かに、道端のDVDショップで違法コピーされたカンフー映画が数多く並んでいたり、小さな映画館で上映していたりするなど、若者は中国のカンフー映画に夢中である。

kungfu

町の小さな映画館で放映されるカンフー映画

映画の中で躍動する映画スターたちに似た東洋人が目の前にに存在することが、彼らにとってはすでにエンターテインメントなのである。

3. 国民の一部に反中感情がある

「挨拶チンチョン」を放った女性に、言葉の意味を教えようとしたことがある。

その際は以下の様な会話を交わした。

自分「チンチョンは差別用語だから言わないほうがいい。」
ケニア人「差別用語なの?知らなかった。言葉の意味は?」
「意味はないけど、中国人への差別的な呼称だ。」
「そうなんだ。中国人への挨拶(Hello)だと思っていた。」
「僕は日本人だけど、悪い意味だから言わないほうがいいよ。」
「あら日本人だったの。じゃあいいじゃない。中国人には言うわ。

“中国人には言うわ”

結局、この人は差別用語と知ったうえで、中国人には「チンチョン」を使い続けることを目の前で宣言した。

会話の中ではしらばっくれたが、もともと「軽蔑チンチョン」の使い手だったのかもしれない。

このように、侮蔑語と知りながら使う人たちの背景には反中感情が存在することもあることは紛れもない事実だ。

「チンチョン」と言われた時の対応

では「チンチョン」と言われた時、こちら側はどのように対応すればよいのか。

僕の考えはこうだ。

無視。

この一言に尽きると思っている。

悪意がない「挨拶チンチョン」でも、その言葉では反応してもらえないと教えるために反応しないほうがいい。

教えてあげるのが親切かもしれないが、言われるたびに指導していては時間も体力も持たないので無視が無難である。

「軽蔑チンチョン」にはキレたくなる気持ちが湧くが、グッとこらえて無視だ。

キレるまでいかずとも、振り向くなどのリアクションを見せると相手を喜ばせることになってしまい、まさに相手の思うつぼである。

しかし協力隊の中にはキレる、追いかける、首根っこ捕まえて説教するなどという強者もいる。

「ガバナー召喚事件」という伝説的な話がある。

一人の隊員が町中で若者に「チンチョン」と言われたことに怒り、ガバナーと呼ばれる地方で最も権力を持つ政府関係者を電話で呼び出し、若者に謝罪させたというのである。

どうしても許せない人は、ここまでのバイタリティがあるなら戦うのもアリかもしれない。

この事件からも分かる大事なことは、教養のある者はそういった言葉を使わないということである。

解決には国全体に教育が行き渡るのを待つしかない。

個人レベルでは、あまり気にしすぎず、可愛いらしいくらいに思ってやり過ごす器の広さが必要だ。

※悪い言葉を文中で多用して書きながら気分は良くなかった。
 読んで不快な思いをされた方にはお詫び申し上げたい。

 

今日のあるある : 「しんちゃん」と呼ばれたと勘違いして反応してしまう

-考察
-, , , , ,

Copyright© AFRICA ON AIR , 2017 AllRights Reserved.